なるかわレディスクリニック

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婦人科の診療内容

●機能性月経困難症

婦人科疾患を除外した月経困難症で、月経期間中に起きる下腹部痛、腰痛、頭痛、吐き気、いらいら感などの病的症状のことです。
月経1~3日の出血が多い時に強く、原因はプロスタグランジンによる、子宮の過収縮です。
一般に、年齢とともに、あるいは妊娠出産によって症状は軽快していきます。
治療は、保険適応薬の低用量ピルや、漢方薬、鎮痛薬を投与します。

●更年期障害

【 典型的な症状 】
閉経後の5~10年を更年期とよびます。血管運動神経症状(顔のほてり、のぼせ、異常発汗、動悸、めまいなど)と、精神神経症状(情緒不安、イライラ感、うつ気分、不眠、頭重感など)、その他外陰部違和感、腰痛、関節痛、頻尿などの症状がでることがあります。
【 考えられる原因 】
更年期になると、加齢に伴う卵巣機能の低下によって、卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)の量が減り、これが脳の視床下部(ししょうかぶ)にある自律神経中枢に影響を及ぼして自律神経失調症を引き起こします。また、この年代の女性を取り巻く家庭や社会環境の変化からくる心理的ストレスが大脳皮質‐大脳辺縁系(へんえんけい)に影響を与え、憂うつや情緒不安定などの精神症状を引き起こします。 この自律神経失調症状と精神症状が相互に影響し合って、更年期障害の病状を複雑にしています。
【 主な治療方法 】
治療は、ホルモン補充療法(エストロゲン、プロゲスチン)や、漢方療法などがあります。また、大豆イソフラボン(エクエル)など、サプリメントとして有効です。

●感染症(性器ヘルペス)

【 典型的な症状 】
性器ヘルペスの症状は、性器に赤いブツブツや水ぶくれ、かいよう(皮膚のただれ)ができます。はじめてかかったときには強い痛みや発熱を伴うことが多いのに対し、再発の場合は小さな水ぶくれやかいようができるだけの、軽い症状ですむことが多いようです。
【 考えられる原因 】
セックスなどで感染してから4~10日の潜伏期をおいて発症します。38℃以上の発熱がみられることもあります。急に感染部位に痛痒さを感じます。感染部位に最初は水ぶくれができ、間もなくつぶれて、かいよう性の(ただれたようになる)病変がたくさんできます。女性では、とても痛くて排尿ができないほどになります。脚のつけ根のリンパ節(ぐりぐり)がはれて痛くなります。女性の場合、ヘルペスウイルスの冒す範囲は、外陰部だけでなく、膀胱や子宮などにも及びます。ときに、このウイルスは髄膜にまで達して髄膜炎を起こすことも知られています。こうなると、とても強い頭痛がし、尿が出なくなります。何の治療もしないと治るまでには3週間かかりますが、きちんと治療すると1週間くらいで治すことができます。
【 主な治療方法 】
抗ウイルス剤の内服と、軟膏塗布になります。

●感染症(クラミジア子宮頸管炎)

【 典型的な症状 】
クラミジアに感染するとおりものの量が増えますが他に自覚症状があらわれにくいので自分が感染していることに気付かないことが多くあります。治療せずに放置しておくと、体の内部まで感染が広がり子宮内膜炎や卵管炎になり子宮外妊娠や不妊の原因となる事もあります。 また、流産、早産の原因にもなります。

クラミジアは性器以外に喉(ノド)にも感染します。ノドにはオーラルセックスによって感染しますがディープキスによっても感染することがあります。通常のキスの場合は感染する可能性は低いです。喉に感染すると痛みがでて痰が増えます。
【 考えられる原因 】
いくつかの種類がありますが、感染者の激増しているのは「クラミジア・トラコマティス」というタイプで、多くは、性行為により性器粘膜で感染を起こします。オーラルセックスで口中にクラミジア菌が感染すれば咽頭炎・慢性の扁桃腺炎などを起こし、風邪のような症状がでます。菌があるところに接触すると感染しますので、性器に感染していても口中に菌がいなければキスでうつることはありません。また、眼の粘膜に感染して、トラコーマという結膜炎を起こしたり、妊娠時に感染した場合、乳児の呼吸器に感染してクラミジア肺炎を起こすこともあります。妊娠中の女性の場合は、このような母子感染をするので、注意が必要です。
【 主な治療方法 】
抗生剤の内服になります。

●感染症(トリコモナス膣炎)

【 典型的な症状 】
トリコモナス膣炎は、感染後、1~数週間の潜伏期間を経て発症する性病(性感染症)のひとつです。
トリコモナス膣炎の主な症状は、悪臭の強い黄色味を帯びた泡のようなおりものが異常に増え、このおりものの刺激で性器に強いかゆみを覚えます。また排尿時、性交時の痛みや不快感、膣壁からの出血が起こる場合もあります。
【 考えられる原因 】
主に性交が原因で、『膣トリコモナス』という原虫が膣内に寄生する事からトリコモナス膣炎に感染します。
トリコモナス原虫は水気のある所であれば生息が可能であると考えられている事から、公共施設のトイレや温泉、プールなどで感染するケースも稀にあります。
【 主な治療方法 】
抗原虫膣坐剤の挿入か、内服になります。

●感染症(カンジダ外陰膣炎)

【 典型的な症状 】
白いカスのような帯下(おりもの)と強いかゆみを生じます。膣の中だけでなく、外側(外陰部)にも炎症は拡がり強いかゆみを生じることが多いです。ひどい時は股の内側全体に拡がることもあります(特に糖尿病の人など)。
【 考えられる原因 】
カンジダは真菌の一種です。真菌とはいわゆるカビの仲間です。カンジダは7~10人に1人の女性の膣の中にふつうに存在しています。また膣以外にも皮膚、口の中、腸などにも存在しています。通常はなにも悪さをしません。しかし、膣の中のラクトバチルスが減ってしまうような状況(抗生物質を使用した後など)や体が弱っている状態(糖尿病、ステロイドの薬を服用中など)ではカンジダが増加して悪さをします。ふだん膣の中にカンジダがいない人でも、皮膚や腸などから膣に入り込んで来ることもあります。性行為などでうつることもあり性感染症(STD)のひとつでもあります。しかし、自分の体が元気な時は、性行為でうつされることはあまりありません。
【 主な治療方法 】
抗真菌膣坐剤の挿入、あるいは内服になります。

●月経の周期移動

【 周期移動とは生理日程をずらすこと 】
温泉旅行や海外旅行、結婚式、部活の試合、受験など、月経が重なると困るイベントが控えているときに、月経を移動させて乗り切る方法があります。
【 生理を早める方法 】
短縮する場合、月経3~7日目からEP配合薬(エストロゲンとプロゲステロンが両方含まれた合剤:いわゆる中用量や低用量ピル)を10~14日間内服します。2~5日後、消退出血が起こります。自費になります。
【 生理を遅らせる方法 】
延期する場合、月経予定の5~7日前より遅らせたい日まで、EP配合薬を一定期間内服することで人工的に月経(消退出血)を起こすことができます。2~5日後、消退血出が起こります。自費になります。

●低用量経口避妊薬処方

【 薬の概要 】
避妊効果において最も優れた方法で、安全性も高いです。副効用として、月経困難症、過多月経の抑制が期待できます。
【 効用 】
ピルは月経の第1日目から1日1回1錠を、毎日だいたい同じ時間に飲むことで、飲んだ日から避妊できます。服用開始は5日以内までは遅らせることができます。ピルは主に排卵をおさえて妊娠を防ぎます。
【 副作用 】
吐き気や頭痛、不正出血、めまい、乳房の張りなど軽い症状です。これも3ヵ月以内でおさまります。非常にまれですが、ピルによって血が固まりやすくなり、血栓症を起こすリスクが少し高くなります。「ふくらはぎのむくみ」や「手足のしびれ」などの症状が見られたら、すぐに相談して下さい。
【 よくある誤解 】
その1)ピルを服用するとがんになる。
…以前はピルと乳がんの関係が指摘されていましたが、最近の報告では低用量ピルで乳がんが増加するとは考えなくてもいいとされています。
その一方で、卵巣がんや子宮体がん、大腸がんは明らかに減少することがはっきりとわかっています。
低用量ピルにはがんを予防する効果も期待できると言えます。
その2)ピルを服用すると将来不妊症になる。
…これもとんでもない間違いです。一定期間ピルを服用することによって卵巣機能が改善することが多いです。不妊症や生理不順の治療としてピルを服用していただくこともあります。
ピルを服用しておくほうが不妊症にはなりにくいことも分かっています。ピルの服用を中止すれば2ヶ月程度で排卵が再開しますので、すぐに妊娠を考えていただくことが可能です。将来の妊娠にマイナスに作用する心配は全くありません。
その3)ピルを服用すると太ってしまう。
…ホルモン含有量の多いピルでは体重増加の副作用があることが知られています。でも、低用量ピルによる体重変化は1-2キロ程度で、日常生活の範囲内の変化と同等です。低用量ピルで体重が増えることはないと考えて結構です。
その4)ピルを服用するとずっと続けないといけない。
…ピルをお勧めするとほとんどの方がこれを心配されます。でも、実際に低用量ピルを服用している方にアンケートをお願いすると、『このまま長く続けたい』というお答えが非常に多く見受けられます。実際に低用量ピルによる効果を実感すると、もう手放せなくなってしまうようです。ピルをやめたければいつでもやめていただけます。

●緊急避妊

【 薬の概要 】
コンドームや膣外射精妊に失敗した場合、性的暴行を受け妊娠する恐れのある場合、ピルの飲み忘れ・飲み間違いで避妊効果が失われている場合などに、お薬を使って妊娠を予防することです。性交後72時間以内にレボノルゲストレル(ノルレボ)を2錠内服します。自費になります。
【 副作用 】
副作用として、吐き気・嘔吐がおこる場合がありますが、数時間以内に治まりますから心配は無用です。この後1週間前後で生理が来れば成功です。

●その他

子宮内膜症、子宮筋腫、月経不順、子宮頸癌、および子宮体癌などの検診、不妊症など様々な婦人科疾患の診察、検査、治療を行っています。

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